<第三のシフト>は、未来に向けて求められる3つのシフトの中で最も難しい。
やりがいと情熱を感じられ、前向きで充実した経験を味わえる職業生活への転換を成し遂げ、所得と消費を中核に添える職業人生から脱却しなくてはならない。
具体的には、自分の前にある選択肢の1つ1つを深く理解しそれぞれの道を選んだ場合に待っている結果を知的に分析した上で、行動に踏み切る勇気を持つ必要がある。
簡単なことではないがそれを実践しない限り、自分が望む働き方自分の忙しい働き方の未来は切り開けない。
<第三のシフト>は、私たちを悩ませてきた非常に大きな問題に関わるものである。
仕事と私生活のバランスを取る必要性が叫ばれ始めてすでに数十年になる。
<第三のシフト>で求められている事は、それぞれの選択肢を明確に理解した上で選択を行い選択の結果と代償を受け入れることだ。
リンダ・グラットンは事例をあげている
子供がいる女性幹部は60%に満たなかった。
子供がいる女性幹部にしても半分以上は1人しか子供がいなかった。
女性幹部たちに実際に話を聞くと、自分が子供を持たずに生きることになるとは思っていなかったと語る人が少なくなく、そのことへの寂しさを口にする人もいた。
話を聞くうちに分かった事は
子供を持たない人生を意識的に選択した女性がごく少数に過ぎないことだ。
私たちは人生における仕事の位置づけを選択する時、こういう落とし穴に陥りやすい。
選択の結果が現実になるまでに時間がかかったり、結果が予期しないものだったりするケースが多いからだ。
多くの女性幹部にとって、子供を持てないという結果は、実際に突きつけられるまでに時間がかかり、しかもたいてい予期しないものだった。
私自身はどうだったか。
職業の選択肢を分析しその結果を受け入れて来ただろうか。
選択肢1。エンジニアからマネジャーへ
選択肢2.マネジャーからコンサルタントへ
選択肢3。独立
選択肢1と2を社内で行うことができた。
というより、会社が用意した。
選択肢3も会社が応援してくれた。
大塚商会に感謝するところである。
では、選択肢1,2を社内で行えなかったとしたら、会社を飛び出しただろうか。
それをするのならば、リンダ・グラットンの言うようにもっと知的に分析し準備をしなければならい。
つきつめるなら、将来を長期的に、すくなくとも10年、見る考え方が必要だ。
今60歳になって、ようやくそれがわかるようになった。
とてもその当時、そんな考え方を持っていなかった。
これからの人、つまりは20代、30代の人にそれが求められている。
というか
できる人とそうでない人に分かれる。
リンダ・グラットンは女性幹部の事例をあげている。
ちなみに、彼女自身は二人の男の子がいる。この本のはじまりがその子どもたちとの会話だった。
1人の娘をもつ父親として、充実した人生を娘に送って欲しいと思う。
ということは、やはり子供を二人は育ててほしい。
たとえ、ダンナはいなくなっても。
リンダ・グラットンもダンナのことは何も言っていない。
次回は、
お楽しみに。
ウィル株式会社
SE,エンジニアのマネジメント・コンサル
奥野 智洋