働き方改革 日本の先人に学ぶ 西堀榮三郎

組織文化のところ、Googleのアリストテレスプロジェクトの結論に触れました。

①言いたいことが言える
②失敗を許容してくれる

今回はアリストテレスプロジェクトの結論を日本の先人に学びたいと思います。

南極+日本人といえばこの人、西堀榮三郎。

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https://e-omi-muse.com/tanken-n/ 鈴鹿からびわ湖まで 東近江市の博物館情報サイトから引用しました

登山家、探検家
戦後初めてネパールに乗り込みヒマラヤ登山の道をつけた
第一次南極観測越冬隊長
雪山讃歌の作詞家・・・これ最高。こどものころから曲が愛しのクレメンタインで、なんで歌詞が登山家なのか不思議だった。

日本流品質管理の創始者的存在、伝統の技術者
1944年量産真空管「ソラ」を発明、日本半導体研究の基礎をつくる

彼の著書「ものづくり道」から石生村(いそう村)のお話

1927年丹後で大地震が起こり、彼は父の言いつけで実家のちりめんを織ってくれている娘さんたちを慰問に村々を回った。

大地震の非常事態のなか、娘さんたちは、自分の体と同様にちりめんを織る機と自分の織ったちりめんを大事に避難させていた。それを見て彼は感動。

仕事を愛し
機械を愛している

慰問最後の村で娘さん達に尋ねた。「私たちに何をしてもらいたい」

仕事がしたい
ちりめんを織りたい

彼女たちの懇願を無視するわけにいかず、兄の工場につれていくことを思いついた。

しかし、テーラーシステムを採用している兄の工場はすでに自動機械を導入して手作業のちりめん機など使っていなかった。

お兄さん:しかたないから、雑用させよう。と考えるが、娘さんたちの「織りたい」の熱意に負けて、既存の従業員チームと娘さんチームの昼夜二交代制を取った。

お兄さん:①そんな簡単に自動機械が扱えるようにはならん、半年〜1年かかる。そのうち音を上げる
🔴1週間で娘さんチーム全員が扱い方をマスター
チームに一人いた自動機械経験者が空き時間に勉強会を実施。仕事中はOJT。自主的な学習。

お兄さん:②機械が扱えるようになったからといって品質はとても期待できん
🔴既存チームを上回る品質が出る(不良品が少ない)

お兄さん:時間をかけてやっているのだ。量は期待できん
🔴既存チームを上回る生産量を出す

なぜ、品質が既存チームより品質も生産量の良かったのか
🔴自分たちの品質管理を実施。→検査係が不良品を見つけるとその場で注意、指導。そしてみんなに共有

⚫比して既存チームは、織る人は織るだけ、検査する人は検査するだけ
→お兄さんはテーラーシステムを採用していますからこうなります。現代の組織のようですね。そうなんです、現在多くの組織でこのテーラーシステムが生きています。
もし🔴娘さんチームのような組織がでてくれば・・・

 

アリストテレスプロジェクトの結論はその名のとおり、アリストテレスの古からつづく黄金律ではないでしょうか。

お互いがいい仕事をするためチームで言いたいこと言える。その信頼関係がある。これは日本人そのもの。日本人にピッタリの風土だと思います。

働き方改革をすすめて、日本人にピッタリの働き方をつくりましょう。それは21世紀にふさわしい価値観ができることだとおもいます。すでに1927年、90年まえに事例があります。さらに1800年頃、二宮尊徳が村の経営革新を実践したのも「いもこじ」言いたいことをいうチームづくり。実は日本人なら素直にやればそれでいいのではないでしょうか。

1927年に西堀榮三郎は兄の採用した能率優先テーラーシステムは日本には合わないと判断しています。それから90年、アメリカから借りてきたシステムに感謝をして卒業しましょう。
能率より人を優先するシステムをつくりましょう。と言うかもどりましょう。

日本の先人に学べばおおよそできています。日本人が自分の本質の声をきけばいいのです。

一旦これで働き方改革は区切りとさせていただきます。次回からコーチングのお話です。

補足:南極+日本なら白瀬 矗と言われる方もいらしゃるとおもいます。今回は働き方改革のストーリですので、西堀榮三郎氏に登場いただきました。

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